FC2ブログ

言葉にならない言葉

純一

840.jpg


「・・・どうやって?」
「例えば、目隠しなんかをしてさ、ははっ。その為の場所もあるみたいだよ」
私はわざと笑い声を立てました。
こんな所でまたあんな話題を蒸し返したくない。
私は今言った自分の言葉をかき消そうとするかのように、慌ただしく車のエンジン
をかけました。

その夜のことです。
寝室の灯りを消し、静かに闇が降りて来た時、微かに佳織の声がしました。

「・・・昼間訊いたことだけど・・・」
「・・・」
「もしも本当に貴方がそうしたいんなら・・・、いいわ・・・私は」
「・・・」
「でも・・・、危なくないようにして。それだけ」

闇に消えたその言葉を、もう一度問いただす勇気は、私にはありませんでした。
短い沈黙の後、佳織がもう一言だけ言いました。

「おやすみなさい」

暗い静寂の中で私たちは互いの心を探り合っていました。
佳織は目を閉じているのでしょうか。それとも、大きく目を見開き、暗闇の向こう
に私の心を見据えようとしているのでしょうか。
寝室の柔らかい暗がりの中で、私たちは幾百もの言葉にならない言葉を交わし
た気がします。

そして私たちは手を携え、未知の性の領域へと、震える脚を伸ばしたのです。


明日から、またしばらく佳織が書きます。
宜しくお願いします。


関連記事
コメントの投稿
非公開コメント

プロフィール

佳織&純一

Author:佳織&純一


夫が胸に秘めていた願望、それは、
自分以外の男性に抱かれる私の姿を
見ることでした。
私は夫の願いを叶える為に、夫の眼の
前で知らない男性に抱かれました。
それは、けして過ちなどではなく、
確かな私たちの愛の行為であったと
今でも信じています。
あれはけして夢ではなかった。
あれはけして過ちではなかった。
それを確かめたくて、このブログで
私たちは羞恥と昂奮に彩られたあの
時を追憶します。

ご訪問ありがとうございます



佳織&純一へのメールは こちらからどうぞ


バナー
ご自由にお使い下さい。

(90x30)

(160×50)
aiyorimo_banner4_160x50.jpg

(200×60)
aiyorimo_banner5_200x50.jpg
検索フォーム
相互リンクサイト
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示