FC2ブログ
佳織

私は極度に緊張していました。その部屋のドアは鍵こそついていましたが、普通の民家のようなドアでしたから、そのうち、誰かが入って来るのではと、私の心臓は張り裂けそうでした。それよりももっと私を不安にさせたのは、「覗く人もいるかもしれない」といういつか夫が言った言葉でした。それでも、お酒を飲んでいたせいか夫の愛撫を受けるほどに体は熱くなって、いつの間にか夫にしがみついていました。ホテルとは違う粗雑な造りの部屋が、逆に興奮を呼んだのかもしれません。
私は夫の愛撫に喘ぎながら、窓辺の汚れた造花を見ていました。窓にはカーテンがかかっていましたが、ほんの少しカーテンの好き隙間から向こうがのぞける所がありました。カーテンの向こう側は鏡でした。

990.jpg


佳織

ボックス席の中を抜け、奥にのびる廊下を進みました。今思えば、私だけではなく夫にとっても長い長い廊下であったのかもしれません。
そして、廊下の奥にある部屋に私たちは入りました。ドアも壁も普通の家のような感じでした。部屋も広くはなくて真ん中にベッドがあって、ひきだしのついた小さな机がひとつ置いてあるだけで、ホテルのような冷蔵庫もテレビもありませんでした。壁には所々にカーテンのかかった格子の窓があって、窓辺では造花の鉢植えの花がほこりをかぶっていました。
ベッドに腰かけるとすぐに夫に肩を抱かれキスされ、そのままベッドに押し倒されました。急に夫のテンションが上がったみたいで、乱暴にはぎ取られるように服を脱がされました。

980.jpg
佳織

しばらく私たちはカウンターの一番端の席に座って、カクテルを飲みました。
さっきまであれほどしゃべっていた夫が、何も言わなくなりました。お客さんの男性たちも一言も話さず、ただ黙ってお酒を飲んでいるだけでした。
小さく音楽がかかっているだけの殺風景な店内、奥へ続いているような廊下、何も言わない人たち・・・私の胸はずっと高鳴り続けていました。夫もとても緊張しているようでした。20分か、もしかしたら30分くらいそうしていたのかもしれません。夫の手がゆっくりと伸びて来て私の手の上に重ねられました。引っこめようとした私の手を、今度は、夫が強く私の手を握りしめました。そして言ったのです。「別の所に行こう」と。夫は何かを決意したようなとても硬い表情でした。

971.jpg


佳織

夫が私をつれて行ったのは、繁華街のこみ入ったビルの一角でした。
お店が近づくと、さっきまでおしゃべりをしながら肩をならべて歩いていた夫の足が急に速くなりました。一歩、一歩と足を進めるたびに、私の胸は高鳴りました。
お店へ入ると、狭く薄暗い部屋に10人くらい腰かけられる長さのカウンターが伸びていて、その後ろに低めのパーティションで仕切られたボックス型の席がいくつかありました。その日は、カウンターに2、3人の男性がいるだけでした。ボックス型の席の間から奥の方に廊下が続いていて、まだ奥があるようでしたがよく見えませんでした。

960.jpg


佳織

やがてその日がやって来ました。
創作フレンチのお店は古い蔵を改造した素敵な所でした。夫が言っていたとおり、食器はすべて和食器、それもお箸で頂くのです。来ているお客さんも皆おしゃれで、お店の雰囲気もとても良かったです。どの料理もおいしくて、私たちは再び結婚前の若さを取り戻したような気持ちで、はしゃいでいました。その後のことなど忘れたかのように。
お店を出て歩きだしてしばらくしてから、夫が切り出しました。「この後、すこしだけお酒を飲んでいこうよ」と。あまりに食事が楽しかったので、私は本当にまだふたりの時間を楽しみたくて、こころよく誘いにのりました。私はまだ夫が望んでいることが、半信半疑だったのかもしれません。

950.jpg



プロフィール

佳織&純一

Author:佳織&純一


夫が胸に秘めていた願望、それは、
自分以外の男性に抱かれる私の姿を
見ることでした。
私は夫の願いを叶える為に、夫の眼の
前で知らない男性に抱かれました。
それは、けして過ちなどではなく、
確かな私たちの愛の行為であったと
今でも信じています。
あれはけして夢ではなかった。
あれはけして過ちではなかった。
それを確かめたくて、このブログで
私たちは羞恥と昂奮に彩られたあの
時を追憶します。

ご訪問ありがとうございます



佳織&純一へのメールは こちらからどうぞ


バナー
ご自由にお使い下さい。

(90x30)

(160×50)
aiyorimo_banner4_160x50.jpg

(200×60)
aiyorimo_banner5_200x50.jpg
検索フォーム
相互リンクサイト
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示